「安土さんてさ、好きな人いるの?」


「え?」


「なんか大人っぽいし、年上の人とかと付き合ってそうだよね。?」

「そう見える?」

「あ~やっぱそういう人いるのかあ?」

「ブー!残念、

 同じ年だよ。

 それも、頼りなくて、

 背もあたしより低いし、

 心配ばっかりかける人。

 でも、誰より素敵な音を作る人。

 尊敬してるんだ。」


「わあ、語るねえ!

 マジ安土さんてウチらと同じ年???」


「えへへ、ちょいのろけちゃったぁ?」


「う~ん勝手にやってって感じ~」


隣の席の小川さんは、そう言ってケラケラって笑った。

あれから1年半。


あたしは立花音大付属高校の1年生。


夢に向かって着々と…

って残念ながらそういうわけではない。

もう挫折の洗礼受けまくり。