「そうだ、気にならない?コンクールどうなったか?」

「あ、忘れてた…」


「忘れてたって、もう、命懸けでコンクールに望んでたくせに。」


「懸けてないし…でもまあ、ご心配おかけしました。」


「ふふ、謝れると気持ち悪いわね。」


「で?どうなった。

 実いうと、半分意識飛んでたから、

 あまり期待してないんだけど…」


「そうね、めちゃくちゃだったわ、でも鬼気迫るものがあったわ。」


「賞には入らなかったけど、

 十分審査員の人たちの印象に残ったみたいで、

 来年また必ず挑戦するようにと電話をもらったわ、

 容体も心配してくれてた。


 それから、審査員の一人の音楽プロデューサーから

 一度話しをしたいって連絡が入ったって。

 どうする?」



「どう言う意味?」


「細かいことはわからないけど、

 もっといろんな曲を聴きたいんじゃないかって

 担当の人は言ってた。



 えーとね、確か結構有名な人らしいわよ。

 ネットではMEって言う名前で若い人に人気あるみたい。

 前田瑛二さんて言うらしいけど知ってる?」


 千葉が自己紹介のとき言ってたMEさん!


 僕も影響されて、ファンになった。

 ボカロの曲なんかもやってて、 

 コアなファンが結構付いてる。



「知ってるに決まってる!会いたいよ!」