その夜。



妃絽は土方と二人、縁側で月を見ていた。



昼間は沖田達に邪魔をされ、二人きりにはなれなかった。



そして、ようやく夜になって二人きりになれた。



「総司の奴、俺をおちょくって何が楽しいんだよ…」



昼間、沖田に散々おちょくられた土方は疲れきっていた。



そんな彼の姿に妃絽は小さく笑う。



「何で笑うんだよ?」



横に座っていた土方は問い詰めるようにズイッと顔を近付けて来た。




端正な顔立ちをした彼に顔を覗き込まれると、恥ずかしさで自然と顔が熱くなる。