その頃、幕末では――…。



「あーっ!終わらねぇ!」



土方は仕事が捗らず、イライラしていた。



そんな彼の文机の周りには失敗して丸められた書状のゴミがある。



こんな息詰まった時はお茶を飲み、息抜きするのが一番だ。



「妃絽、茶を持って来――」



土方はそう言いかけたが、妃絽はもういないことを思い出し、言葉を切った。



彼女は土方の手によって、彼女が生きるべき時代に帰された。



それは争いにこれ以上巻き込みたくないという想いがあったからだ。