――ビシッ! かなり痛そうな音がした。 「つっ!」 「泣くな!男だろ、馬鹿!なよなよするな、ヘナチョコ!」 「分かってるよ、毒舌女!」 珍しく夏樹が反論して来たことに妃絽は驚きながらも笑った。 「それで良いよ、夏樹。元気でね」 「妃絽もね」 夏樹と別れの挨拶をしていると、足元に小さい子供達がしがみついて来た。 さすがに中学生の子供達は抱き着いて来ないが皆泣いており、一緒にいる職員達も泣いている。