そこには作業着を来た初老の男と齋がいて、何やら話をしているようだった。



「ねぇ、繭。あれは何?」



妃絽は首を締め付けていた繭を解放し、窓の外を指差した。



「うげほっ!ああ…、あれ?何か、時越池を埋めるらしいよ」



「えっ!?」



「ほら、妃絽と夏樹があそこに落ちて行方不明になったじゃん?危ないって言って、園長先生が埋め――、って、妃絽!」



繭が説明しているにも関わらず、妃絽は庭にいる齋の所に走り出していた。