遠くから妃絽を呼ぶリン達の声と気配がする。 ふと近くに人の気配を感じた。 「マズイ…。逃げないと…」 その場から逃げようと立ち上がろうとしたが、身体が動かない。 何度か立ち上がろうと試みたが、上手く行かない。 妃絽が手間取っているうちに気配は近くなり、足音は次第に大きくなって行った。 ふと足音が止まった――。 そして、こちらに近付いて来る。 その瞬間、妃絽は自らの死を悟った。