Hurly-Burly3 【完】


絵から考えても多分感動ものなのだろうか?

「このおじいさん、最後死ぬんだ。」

お兄さんはあたしが渡したハンカチに

涙を擦りつける。

ま、また泣くのかい!!

「そ、そうですか。」

そんな話聞かされちゃうの?

まぁ、いいか。

この人が死にたいわけじゃないなら

良かったと思うべきだ。

「セバスチャンが・・・うっ」

もういいよ!!

自分で今度ももっちに漫画の読み方

教わって見るから。

お兄さん、泣くなよ。

「涙脆いのですね。」

あたしは感動してもあまり泣かない。

感動しても無表情だからお前の感情は

死んでいると小学生の時にクラスの男の子に

言われたことがある。

少し、ショックでハートに刃を持った。

感情表現が乏しくて人一倍苦労した。

痛くても痛い顔が出来なくて怪我を

してもとくに何ともないフリをした。

風邪の時苦しくてぶっ倒れるまで気付いて

もらうことが出来なかったりもした。

素直に感情を出すみんなが羨ましかった。

不良メンバーズはみんな素直に笑ったり

泣いたり怒ったり表情がクルクル変わるのだ。

あたしに出来ないことだと思った。

いつから出来なくなったのか分からない。

生まれた時からもしかしたら泣かない子

だったのかもしれない。

泣いたり怒ったり笑ったり出来るのはどうやら

人間の特性らしい。

それが出来ないあたしは人間枠に入れるのだろうか?

「君だって泣いたりするものじゃない?」

泣くことは出来ない。

もう何年ってしてない。

涙の出し方すら覚えてないのだ。