お昼前には支度をしてバスに乗ってペット
ショップ『ジョンリー』に向かった。
何故、『ジョンリー』というお名前なのかを
聞いてみたいわ。
藤永さんが考えたのかしら?
とても不思議なネーミングセンスね。
ペットショップをチラリ。
覗き見る女子高生が1人居ます。
※他から見たらとても不審な行動している人です。
こんな時が来るかと思ってサングラスを用意して
正解だったわ。
マスクもして来るべきだったかしら。
兄ちゃんはと思って視線を巡らせる。
キョロキョロ窓に這いつくばってみて見る。
何と、ちゃんと仕事をしているっ!?
あれは本当にあたしの兄なのだろうか?
もしや、兄ちゃんは宇宙人に襲われて
入れ替わってしまったとか・・・・
そんなことがあっちゃいけない!!
兄ちゃんを取り戻すのだ日和っ!!
『ひーちゃん、助けてッ。』
兄ちゃん、待っているのだ!
この愛の戦士が今助けます。
ボトリと何か落ちた音が聞こえて後ろを振り返る。
「日和ちゃん、入って行けば・・・・」
ハッ、藤永さんだわ。
「す、すみません、兄ちゃんが心配で来た
のではありませんから。」
「う、うん、とりあえず暑いでしょう?
さっき軽くぶっ飛んでなかった!?」
藤永さんが落とした林檎を拾う。
「いえ、すみません、これは熱中症では
全くありませんので。」
大変、最近妄想トリップすることが日常へと
進行しているわ。
今まできちんと人前では制御をしてきたつもり
なのにこんな事態になるとは急展開ね!!
藤永さんは変なもの見ちゃったよと苦笑い
しながら店内へと案内してくれた。

