Hurly-Burly3 【完】


明らかに年上の人を呼び捨てしちゃうの!?

もう手に汗を握るほどの冷や冷やっぷりに

顔が死にそうだ。

「藤永さんですか?透真が世話になります。」

真君っ!!

やっぱりお主はすごいよ。

兄ちゃんの親友がしっかりした人で良かった。

「あ~、君のことも透真君から聞いてるよ。

よく話に出てくるのは君たち2人だからね。」

チワワの頭を撫でる藤永さん。

チワワが気持ちよさそうにウトウトする。

も、もしかしたら、藤永さんはスペシャリスト

なのかもしれない!!

チワワ愛好家の委員長やってる人かもしれない。

「すいません、自分勝手な幼馴染で。」

「すいません、こんなのが兄で。」

真君とハモって2人で顔を見合わせた。

「揃ったね。」

藤永さんも目に涙を浮かべて笑ってる。

「ねねっ、2人酷くなーい?」

兄ちゃんはこの際幼馴染にも妹にも

変人だと思われていることを理解して欲しい。

「あの、本当に兄を雇って貰えるのですか?」

嘘だということにならないか心配だ。

「あははっ、透真君には助かってるよ。

急に辞めた子が居てさ、信頼出来る人と

一緒に働きたいからね。」

藤永さんは一体兄ちゃんのどこに信頼したのだ?

むしろ、疑いしかない。

謎の兄ちゃんの人脈は計り知れないと知った。

帰ってきた理由も本当に訳分かんないし、

電話一本で仕事を決めて来ちゃうミラクルを

起こしちゃう兄ちゃんはきっと全てが謎だ。

どうもあたしの知らない何かが兄ちゃんには

あるのかもしれない。

兄ちゃんはあたしの予想を悉く覆してくる。

そんな兄ちゃんの就職したところがこんなに

良いところだと知った途端安心した。

しばらく、ちゃんと働いてくれることを神に

祈るしかないと思うのだった。