兄ちゃんが何か見つけてグイッと引っ張られる。
真君も兄ちゃんに引きずられて行った。
「藤永、これ俺の可愛い妹と俺の一番の親友。」
兄ちゃんのハニカミで店内のお客さん(女性)が
全て気絶するという快挙を成し遂げた。
ええ、そうなんです。
この人、顔だけは命に代えても守っておきたい。
性格はどうしようもないが顔だけは本当にいい。
そして、兄ちゃんの前に立った男の人と
目が合ってビビった。
ヤクザ張りのイカツイ顔した顎髭のお兄さんが
チワワを抱いて登場した。
ちょっ、そこのチワワがミラクル起こしてる。
お兄さんの強面っぷりを抑えているよ。
さすが、キューティチワワ。
お主のキューティさは緩和を齎す。
「おー、透真君!」
透真君!?
それは一体どういうご関係で?
兄ちゃん、何かしたのか!!
こんなワイルドな人に君呼ばわりされる
ようなそんな事件起こしちゃったのかい!?
「これはこれはどうも初めてお目に掛かります。
君が自慢の可愛い妹のひーちゃん?」
目じりを下げてにっこりと笑う藤永さんと
呼ばれる方はある意味ギャップ萌えなイケメンだった。
強面は偽りですかと聞きたくなるような笑みに
心の中で安堵した。
「あ、兄がこの度はお世話になります。
役に立つかは心配ではありますが、この不束な
兄をどうか最後まで見捨てず使ってやって下さい。」
頭を90°に曲げてお願いした。
本当はそれ以上に曲げてやってもいいかと思った。
「ええっ?本当に透真君の妹!?
こんなにしっかりしてるとは驚きだね~」
よく言われます。
「えー、藤永心外だなっ。ひーちゃんと俺はちゃんと
血のつながった兄妹だよ?」
兄ちゃん、しばらく黙っててくれないか?

