Hurly-Burly3 【完】


兄ちゃんが何か見つけてグイッと引っ張られる。

真君も兄ちゃんに引きずられて行った。

「藤永、これ俺の可愛い妹と俺の一番の親友。」

兄ちゃんのハニカミで店内のお客さん(女性)が

全て気絶するという快挙を成し遂げた。

ええ、そうなんです。

この人、顔だけは命に代えても守っておきたい。

性格はどうしようもないが顔だけは本当にいい。

そして、兄ちゃんの前に立った男の人と

目が合ってビビった。

ヤクザ張りのイカツイ顔した顎髭のお兄さんが

チワワを抱いて登場した。

ちょっ、そこのチワワがミラクル起こしてる。

お兄さんの強面っぷりを抑えているよ。

さすが、キューティチワワ。

お主のキューティさは緩和を齎す。

「おー、透真君!」

透真君!?

それは一体どういうご関係で?

兄ちゃん、何かしたのか!!

こんなワイルドな人に君呼ばわりされる

ようなそんな事件起こしちゃったのかい!?

「これはこれはどうも初めてお目に掛かります。

君が自慢の可愛い妹のひーちゃん?」

目じりを下げてにっこりと笑う藤永さんと

呼ばれる方はある意味ギャップ萌えなイケメンだった。

強面は偽りですかと聞きたくなるような笑みに

心の中で安堵した。

「あ、兄がこの度はお世話になります。

役に立つかは心配ではありますが、この不束な

兄をどうか最後まで見捨てず使ってやって下さい。」

頭を90°に曲げてお願いした。

本当はそれ以上に曲げてやってもいいかと思った。

「ええっ?本当に透真君の妹!?

こんなにしっかりしてるとは驚きだね~」

よく言われます。

「えー、藤永心外だなっ。ひーちゃんと俺はちゃんと

血のつながった兄妹だよ?」

兄ちゃん、しばらく黙っててくれないか?