Hurly-Burly3 【完】


「え~、ひーちゃんに言えないような職場

なんて行かないよー。」

選んでる場合なのか!?

「じゃあ、どこなの?」

てっきり、ホスト確定だと思っていたが違うのか!!

それは少し残念だ。

まぁ、兄ちゃんにはホスト向いてないだろうね。

お酒弱かったし、接待とか無理だな。

「ひーちゃんもきっと気に入るいいお店。」

ふふんと鼻歌を歌いながら窓の景色を眺める

兄ちゃんの能天気っぷりにはもう何を言っても

しょうがないのだと思った。

「そのお店はいつ決めたんだよ?

確か、昨日帰って来たんだろ。」

そうなの、真君!

この兄ちゃん嘘は吐けないの。

でも、昨日のたった一日で決まるような

そんな上手い話があっていいの?

「真、そこ右に曲がって。」

急に兄ちゃんが真君に運転指示をする。

「えっ?」

「早く~、後ろ詰まっちゃうよ。」

真君に両膝ついて謝りたくなった。

それからしばらく真っ直ぐでという

兄ちゃんは俺も車買うかなと言っている。

そんな、お金ないよね!!

「そこの店長に近い人と知り合いでさ、

人数に丁度空きが出たからいいよって

昨日電話で連絡来てさ。」

そんな上手い話があった!!

「お前軽く尊敬するわ。」

真君、この馬鹿な兄ちゃんになんか尊敬

しなくていいよっ!!

「あ、そう?」

兄ちゃんすごい喜んでる。

「そこ、左行ってね~。」

どこに連れてく気だよ兄ちゃん。

自分勝手な兄ちゃんの傲慢さは

未だ続くのだった。