Hurly-Burly3 【完】


盛り上がってきたところで真君の誘いで

ドライブへ行くことに修平君は車酔いする

からいいと断ってお家でお留守番するそうです。

それなら、あたしも空気を読んで修平君と家で

待ってるよと言ったけど、真君に全力で連れて

行かれたのだった。

真君の運転は完全なる安全運転だった。

「それで、仕事どうするんだよ?」

「あ~、それね。」

兄ちゃんは世の中で困ってる就職困難者の

皆さんに土下座して謝るべきだ。

「さすがに仕事しないと大人として駄目だろ?

ここはジャングルじゃねぇんだよ。」

「分かってる~」

分かってないよねっ!!

むしろ、兄ちゃんの頭の中は動物の園だ。

爽やかな草原広がってライオンとトラが

互いに肩を抱きながら踊ってるに違いない。

『やぁ、ライオン君!』

『こんにちわ、トラ君!』

そこに颯爽と現れるチーターさんも一緒に

どんちゃん騒ぎだぜ。

『みんなでパーディナイッ!!』

チーターさんがチャラくなっちゃったよおいっ。

あたしのイメージではチーターさんはとても

イケメンだけど、そんなチャラさ要らなかった。

むしろ、草原で颯爽と走ってるイメージだけで良かった。

「ひーちゃん、カムバックッ!!」

「相変わらず、妄想に拍車がかかってるね~。」

助手席に座ってる兄ちゃんの必死の叫びは

フルシカトで真君の左肩の方へひょこっと顔を

突き出すと真君はクスリと笑って左手で頭を

撫でてくれた。

「真君、本当に久しぶりだッ」

「うんうん、ひーちゃんには中々会えなかったよね。」

一際、大人っぽさに磨きがかかったよ。

何故、家の兄ちゃんとここまで大差があるのだ?

同じ歳には見えないほどの落ち着きを真君は

持ってるというのに兄ちゃんはどうしてここまで

人騒がせな男になってしまったのか理解出来ない。