「お前には悉く呆れるよ。
誰が嬉しそうだって?俺は全力で嫌がってる。」
そうだ!、そうだ!ソースをかけちゃっておくんなまし!!
ソースを手にするあたしに修平君首を振る。
何かもう清々しいぐらいの修平君に静かに
ソースを元に戻した。
「何だよっ、照れるなよっ!!」
兄ちゃんはどうやらどうしても真君が喜んでいると
信じて疑わないらしい。
「透真、もういっぺん旅立つか!?」
真君、キラリと目を光らせる。
兄ちゃんの扱いはお手の物だ。
さすが、幼馴染なだけある。
「ガハハッ、真君怖~い。」
真君灰皿に手を伸ばすというね。
今にも怒りで兄ちゃんの頭を叩くのは
時間の問題かもしれない。
そこに自分の兄が殺人者になって欲しくない
修平君が灰皿を取り上げて隠した。
「それで、こっちに帰ってきた理由は?」
「え~、真に会いたかったからだろう!!
まぁ、ひーちゃんと一緒に暮らすのが一番
の理由だけどな。ごめんな、俺にはひーちゃんが
第一優先なんだよ。」
真君、はぁーとため息を吐く。
「おめでたいヤツだな。」
真君の言葉にあたしも修平君も首を縦に振った。
「そうか?おめでたいことなんかあったか!?」
兄ちゃんどこだどこだってキョロキョロ探さないでよ。
すごい恥ずかしいよ。
この人と血が繋がってることを今だけは認めたくない。
「ひーちゃんが可哀想だ。」
哀れみの瞳を向ける真君に便乗して修平君もドンマイ
って顔であたしを見るのだった。
そ、そう言われると何故か頑張っていけそうです!!
「何でひーちゃんが可哀想なんだ?」
兄ちゃんはよっぽどのめでたい思考の
持ち主らしい。
「胸に手を当てて考えて見ろよ。」
真君、ナイスな掛け合いだよっ!!

