Hurly-Burly3 【完】


「お前には悉く呆れるよ。

誰が嬉しそうだって?俺は全力で嫌がってる。」

そうだ!、そうだ!ソースをかけちゃっておくんなまし!!

ソースを手にするあたしに修平君首を振る。

何かもう清々しいぐらいの修平君に静かに

ソースを元に戻した。

「何だよっ、照れるなよっ!!」

兄ちゃんはどうやらどうしても真君が喜んでいると

信じて疑わないらしい。

「透真、もういっぺん旅立つか!?」

真君、キラリと目を光らせる。

兄ちゃんの扱いはお手の物だ。

さすが、幼馴染なだけある。

「ガハハッ、真君怖~い。」

真君灰皿に手を伸ばすというね。

今にも怒りで兄ちゃんの頭を叩くのは

時間の問題かもしれない。

そこに自分の兄が殺人者になって欲しくない

修平君が灰皿を取り上げて隠した。

「それで、こっちに帰ってきた理由は?」

「え~、真に会いたかったからだろう!!

まぁ、ひーちゃんと一緒に暮らすのが一番

の理由だけどな。ごめんな、俺にはひーちゃんが

第一優先なんだよ。」

真君、はぁーとため息を吐く。

「おめでたいヤツだな。」

真君の言葉にあたしも修平君も首を縦に振った。

「そうか?おめでたいことなんかあったか!?」

兄ちゃんどこだどこだってキョロキョロ探さないでよ。

すごい恥ずかしいよ。

この人と血が繋がってることを今だけは認めたくない。

「ひーちゃんが可哀想だ。」

哀れみの瞳を向ける真君に便乗して修平君もドンマイ

って顔であたしを見るのだった。

そ、そう言われると何故か頑張っていけそうです!!

「何でひーちゃんが可哀想なんだ?」

兄ちゃんはよっぽどのめでたい思考の

持ち主らしい。

「胸に手を当てて考えて見ろよ。」

真君、ナイスな掛け合いだよっ!!