つまり、兄ちゃんに罪作りとか言われたくないっ!!
イラッとしながらも修平君がお茶を出してくれるのを
待って兄ちゃんとの激戦を一発かましそうになっていた。
「透真君、旅はどうだった?」
修平君がやれやれと言いながらお茶を持ってきた。
マミーは仕事中です。
いつもはキッチンに居るイメージであると思いますが、
あのほんわかマミーは専業主婦ではありません。
「穂香さんはお店?」
兄ちゃんはキョロキョロ見渡す。
穂香さんと言うのはサユの母様であるマミーの
本名で母さんがホノちゃんとよく言っているらしい。
そして、マミーの本職は美容師。
道場の横にある小さな白がベースの綺麗なお店で
その美しいお手から巧みなハサミ捌きを見せるのだ。
あのほんわかマミーは仕事の時もほんわかしている
もののハサミを持つと人が変わったかのように華麗
な手さばきを見せる。
あたしもよく切って貰っている。
前髪が伸びるとよくマミーにおいでって言われて
切ってくれた。
ここら辺では有名な美容室でお客さんも中々入ってる。
近所のおばちゃんから小学生の女の子にダディの道場
に来る子どもの母ちゃんたちと幅広い。
いつだったか、サユが頬をピンク色に染めて将来
マミーのような美容師になりたいんだと夢を語って
くれた時は全力で応援するとサユに興奮しながら言った。
サユには世界で一番幸せになって貰いたい。
そして、お洒落が好きなサユならマミーのように
きっと将来ハサミ捌きの上手い美容師になれると
あたしは信じている。
「母さん、今日は17時まで全部予約入ってんだ。」
マミーは徹底的な家族一番主義で10時から始まり、
17時以降はお客さんを取らないで器用な活動をしている。
「マミー大変だね。」
それでも、マミーはいつもほんわりとした笑みを浮かべて
ご飯を作ってくれているのだ。
どうして、ダディと結婚をしたのかは未だに謎である。
マミーが言うにはダディほどのイケメンは居ないとか
言っているのだが、マミーほどだったらもっと顔面の
ビューティーフルな男が居たのではないかと思う。

