お昼ご飯を済ませると兄ちゃんと一緒に出掛けた。
一度サユ家に行くと修平君が明らかにズーンと
テンションが下がった。
兄ちゃんのパワフルさに拍車がかかったのを
どうも怯えている。
「修ちゃん、真の家ってどこか知ってる?」
知らないのに行こうとしてたの?
ありえない、考えなしですか!?
「兄ちゃんが迎えに来るらしいけど・・・」
真君、車の免許取ったんだね。
「さーちゃんは遊びに行ってるのかな?」
「姉ちゃんは誠君と出かけた。」
相変わらず冷え冷え美少年だこと。
「修ちゃん、中学生になったんだろう?
いや、見てない内に増々真そっくりじゃないか!!
全然おじさんに似てないよなー。」
ダディが目の前に居たら泣くぞ!!
めちゃくちゃ気にしてんだからな。
「・・・・・そうか?」
実際、外面は似てなくともダディの息子ですからね。
「兄ちゃん、黙ってくれない?」
もう口を縫い付けてやろうかな!!
この際だからマスコット人形もビックリな
縫い技披露しちゃうぞ!!
「修ちゃん、ひーちゃんが最近冷たいの!!」
ぶん殴りたい!!
兄ちゃんの顔面をサウンドバックにしたら
あたしは日本のタイトルマッチに参加出来る
ぐらいだと思う。
「透真君のせいだと思う。」
「修平君、君は最高の理解者だ!!」
修平君の両手を握りしめた。
「・・・ッお茶」
修平君顔をボンと赤く染めてキッチンに
逃げて行った。
首を傾げてその様子を見ていると兄ちゃんが
気持ち悪いぐらいニヤけていた。
「ひーちゃんも罪作りだなー。」
兄ちゃんよりはマシだと思う。
あたしは兄ちゃんより真面な人間だと
思っているのです。

