「師匠のご飯も用意しますね。」
「ひーさん、すまん。」
「ど、どうしました?」
いきなりの謝罪にビックリしたようだが表情は無表情を貫いている。
「マフラー、穴あいてもうた。」
「ああ、ホントだ。毎日使って下さっていましたもんね。
新しいマフラーと帽子、実は作ってありまして後で
ファッションショーを開催しましょうね。
ダーリンにもありますからね。」
日和の足に引っ付いてるジョセフーィーヌは目を輝かせた。
「ひーさん、ありがとうな。」
「は、はい!?」
「れ、礼や。わいが直々に言ってるんや。受け取りや。」
「はい、もちろんです。どういたしましてです。」
「今日はもふもふさせたってもええけどな。」
「是非、楽しみにしております!!」
照れ隠しにバサバサ部屋を徘徊する師匠に、
兄ちゃんはこっそりと様子を見ていたようで笑っていた。
「ひーちゃん、今晩の献立は?」
「兄ちゃんが好きなハンバーグだ。」
「わーい、ひーちゃん愛してる。」
「き、キモいからやめろ。」
「ひーちゃん、どうして兄ちゃんにそんな
毒舌なんだよ。拗ねちゃうぞー。ぶーぶー。」
「拗ねろ!!引っ付くなあっち行け。」
「ひーちゃんのケチ。」
「なっ、兄ちゃんにはマフラーもセーター
も帽子も作ってやらんからな!!」
「えー、太っ腹ひーちゃん、兄ちゃんにも
また作ってくれたんだ?」
「け、喧嘩すると困るからだ。」
※照れています。
「ひーちゃん、可愛すぎっ。」
「き、キモいと言っておるだろうが!!」
これが、日頃の立花家の食卓でした。
―おわり―

