Hurly-Burly3 【完】


――――そして、立花家では・・・


「ひーちゃん、どうしよう!!」

「落ち着け、とりあえず警察に連絡をせねば。」

「110番して師匠の捜索願出さないと。」

ジョセフィーヌがそんな兄妹を見て呆れていた。

『ハニー、ブラザー、警察に連絡しても

意味がないと思うよ。その内、帰ってくるから

待ってればいいんじゃないかな?』

「ジョセフ、師匠が心配じゃないのか!?」

「いや、兄ちゃん。ダーリンはとっても心配

しているよ。ほら、さっきからずっとウロウロ

しているのはその証拠だ。」

『ハニー、窓空けといてあげた方が・・』

「そうだよね、師匠が入りやすいように

家中の窓全開するかねっ!!」

「よしっ、その任務は兄ちゃんに任せるんだ。」

ご飯の支度をしていたら突然兄ちゃんが叫びだしたのだ。

『師匠~、どこ行ったんだよ。』

それで、兄ちゃんに事情を聞くと家まで一緒に

帰ってきたはずの師匠が忽然と方から居なくなっていたらしい。

それがショックで兄ちゃんは鼻水を垂らしながら泣きべそかいていた。

終いには、このまま師匠が旅立ったままだったら兄ちゃんは

一生鳥とは友達になりませんとか言い出す始末だ。

一体、師匠とはどういう友好関係を結んでいるのか

さっぱり分からないと思っていた頃だ。

窓からバサバサ一羽オカメインコが飛んで帰ってきた。

「帰ったで。」

「何が、帰ったでだよ。師匠、心配したんだぞ!

いきなり居なくなったら駄目じゃないか。

ちゃんと、行き先を言ってくれよ。」

「す、すまんな。」

兄ちゃんが泣きながら師匠と熱い抱擁を交わしている

ところをジョセフィーヌとやれやれと言いながら見守った。


これにて、一件落着である。



落ち着いた透真が師匠を離してくれたところで、

キッチンで夕飯の準備を再開したひーさんのところに

バサバサと飛び回った。