そして、時間は戻って師匠は今とてもピンチな

状況下で顔を顰めていた。

「し、しまったで!」

最近、寒くなったと言われて日和が夜なべして

作った透真とお揃いのマフラーを公園のベンチに

忘れてきてしまったらしい。

マフラーとお揃いの帽子は今やとても師匠の

お好みファッションスタイルとなっている。

実は、師匠は立花兄妹が大好きなのである。

彼らにはすぐに打ち解けて今や家族と同じ扱いを

受けて絶賛幸せな生活を送っている。

※藤永さんから透真が譲り受けた。

透真が日和の居るキッチンに向かったところで、

師匠は急いでバサバサと飛んで透真と寄り道を

した公園へと向かった。

透真の肩に日頃乗っているせいか、いろんなところに

行けるようになって師匠は立花家の所在地を記憶している

とても賢いオカメインコだった。

「日が暮れてまってるで。」

バサバサ飛ぶことは丁度運動になった。

透真が可愛がり過ぎて餌も多く食べていた師匠は

幸せ太りで憎き脂肪に悩まされていた。

「しかし、ちっとお腹が出てしまってる。」

日和がもふもふさせてと言うのでたまに

しゃあないと言っているが実は日和以上に

そのスキンシップが好きであった。

「メタボのおっちゃんやないか。」

ブツブツ空を飛ぶオカメインコに誰も気付かない。

少々、暗くなってしまったせいか街灯が頼りだ。

「腹筋選手権出たる勢いでダイエットせな。」

やっと、公園に付いてベンチに急いだ。

昼間とは比べ物にならない寂しさに

しんみりしながらベンチにちょこんと置いてある

マフラーを見つけて内心ホッとしたのも束の間。

三毛猫がそのベンチに居座ってしまったのだ。

「アカン!!わいの天敵やがな。」

真っ青な顔をして三毛猫の様子をこっそり物陰

から覗くしかなたかったのだ|゚Д゚)))

引っかかれたり、食べられそうになるからで

どうも師匠は猫が苦手というよりは猫全般が

敵だと思っているらしい。

いつまで経っても動こうとしない三毛猫(♀)に

悩まされる師匠は居てもたっても居られず飛び出した。