Hurly-Burly3 【完】


「なっ、ヒヨリン。相沢に近づいちゃ駄目だぞ。」

「次にあったら木刀構えて滅多打ちに・・・」

「日和ちゃん、一体相沢と何があったの?」

「可愛げないなって言うんだ。

最近、そればっかりだ、何が気に入らないんだか!!」

プンスカしながらふんっと鼻息を噴出する。

「それは、多分ひーちゃんが可愛いと思ってんだよ。」

「もっくん、コーヒー転がしてごめんね。」

「いいよ、将棋の続きしよう。」

「う、うむ!」

「ここに居るひーちゃんは表情が変わるから

寂しく思ってるんじゃない?」

「そ、そうかな?」

もっくんにそう言われると変わってるのかな

とも思うところだ。

全然あたしは気付いてないけど。

「ヒヨリンっ!!俺の師匠になってくれ!」

「いや、俺の師匠だからな。」

「いやいや、ヒヨリンは俺の師匠だし。」

「つうか、ヒヨリンがチャンピオンの座から

落ないから俺らは日夜戦いの日々を・・・」

「たかだか、にらめっこじゃないか?」

「何故だ!ヒヨリンのポーカーフェイスに

敵わねぇ。」

「勝負にもならないな。」

不良メンバーズのトーナメントに参加して

みたらいつの間にかチャンピオンになってた。

「にらめっこ負けたことないんだけど?」

「ヒヨリンに勝てるヤツ居ねぇのかよ。」

「兄ちゃんには負けたことある。」

あの人は馬鹿丸出しだ。

にらめっこなのに気合入れるんだとか

言って眉毛太くするんだもん。

意味が分からない。

「マジか、真のチャンピオンはお兄さん

だったのか!!」

「大体、何でにらめっこがブームになってんの?」

「そ、それは・・・・」


――――――・・・・


「サユ、あたしにらめっこすると王者になれる

気がするんだ!!」

「あんたなら、確かにね。」

「小さい頃、負けたことなかったしね!」

「そうね、あんた無表情だから負け認めない

と終わらないじゃない。」

「そうだったのか・・・・」