Hurly-Burly3 【完】


ネクタイから手を離されてようやく解放された。

「ひーちゃん、また一際豪腕ヤバくなってない?」

「そう?今週末はダディーに稽古をつけてもらった。」

「ああ、だからか。」

「ダディーには勝てないが、サユがカッコイイんだ。」

「ひーちゃん、そんなに強くなったら困るだろ。」

「えっ!?」

「全く、鈍感は困るねぇ~」

「な、何が困るんだ!!」

「いろいろとね。」

「り、理由を吐け!!」

相沢ティーチャーのネクタイを掴んで

立場が逆転する。

「世界が滅亡するのか!?」

「また、妄想してやがるな。」

「ど、どんな災難が降りかかってくると

言うんだ!!恐ろしいわ。やっぱり今週も

ダディに稽古つけてもらおう。」

「まだ、強くなる気で居るんだ?」

「死にたくはないからな。」

「女の子なんだからそういうのはほどほどにしろよ。」

「だから、お前に心配される筋合いがない。」

睨み合いの合戦が始まるとすぐに相沢ティーチャー

が降参を申し出た。

「昔から、ひーちゃんと睨めっこすると

負けるのは目に見えてんだよな。」

「あたしのお顔が素敵だからな!」

「いや、恐ろしすぎてな。」

「なっ、乙女に向かって言う言葉じゃない!」

「はいはい、俺はそろそろ退散しますよー。」

「帰れ!帰れ!」

「ひーちゃん、もう少し可愛くなってくれよ。」

「十分可愛げあるもん。」

「どうだかなー。テストの点数も可愛げねぇし、

会えばこの口で暴言吐こうとするしな。」

「暴言なんてたまにしか吐かない。」

「いっそ、その口塞いでやろうか?」

顔を青くするあたしにケラケラ笑って

部屋を後にした相沢ティーチャー。

そんなことがあったらあたしの死亡は確定するだろう。