それは、ある日の放課後の出来事だった。


いつも通りに不良メンバーズの集まる部屋に

行くと、早速もっくんと将棋をすることになった。


ナル君はソファーのところでニコニコしながら、

エクレアを食べている。

京君は馨君と雑談中なのかキリっとしてる。

馨君は話しながら紅茶をトポトポ淹れている。

慶詩とユウヤは何故かジェンガをしていた。

伊織君はペラペラ雑誌を見ながら考え事をしている

ご様子で、ちぃ君はいつも通りソファーでご睡眠中らしい。

もっくんと将棋をさすのもほっこりする。

この日常的な雰囲気が良かったりするもんだ。

「ひーちゃん、何か飲み物要る?」

「あ、うん、自分で取りに行くからいいよ。

もっくんは何か要る?」

「じゃあ、頼むよ。」

穏やかな放課後でいいなと思ってるのは

一瞬のことでちょっともっくんの癒し空間から

離れると不穏な日常的光景を目の当たりにする。

「よっちゃん、また負けたの?」

何か、戦争でも起こったのかと思うような

雰囲気がだだ流れだがよく見る光景だ。

「く、糞!!」

「下品な言葉はおやめなさい。」

よっちゃんが挫折している。

何があったのかはすぐに分かった。

「ももっち、卑怯なんだぜ!!」

「よっちゃんが、ただ単に弱っちいのでは?」

グサッと刺さるようなこと言うなよって

よっちゃんに小突かれた。

「何だ、美男。またヒヨリンに泣きついてんのか!?」

「ヒヨリン、美男なんてほっといていいかんな。」

「つうか、ひーちゃんこっちで遊ぼうぜ。」

不良メンバーズはみんな良いヤツではあると思う。

「うん、また後でね。今、もっくんと将棋さしてる

ところだから忙しいんだ。」

「そうか、じゃあ、終わったら来いよな。」

「う、うむ!」

横で項垂れるよっちゃんはホントに情けない。

よっちゃんが不良メンバーズの一員なのか

どうか疑問に思うところも無きにしも非ず。