ところ変わって、修平君と2人で本屋さんに

行くことになったが、少しばかり暗くなってきた。

「修平君は責任持ってこのあたしめが、しっかり

お守りしますので!!」

ダディーに敬礼して行ってきますをした。

「あんたね、修平はあたしより強いからね。

ウチの道場の中でもピカイチだから。修平の心配

よりあんたのが心配よ。」

「サユ、あたしに心配などご無用だ!」

「修平、頼んだわよ。」

「・・・早く、行くよ。」

修平君っ!!お願いだから置いてかないで。

スタスタ先を歩く修平君を必死に追いかけた。

「あの、修平君何かご機嫌ナナメですかね?」

「・・・そんなつもりない。」

話す時はちゃんと目を見て話してくれる修平君。

「そ、そうですか。それは、良かった。」

修平君に嫌われたらショックが大きい。

だから、ナル君にひたすら謝って自転車

をかっ飛ばして帰ってきた。

「えっと、学校はどうですか?勉強で

困ったところがあったらいつでも聞きに

来て下さいな。」

「日和ちゃん、前見て歩いて。」

「は、はい。すみません。」

ガツンと電柱に頭をぶつけてしまった。

「怪我してない?」

「ええ、頑丈なので!」

修平君が振り返って心配そうにあたしを

見るけどすぐに前を向いてスタスタ歩いていく。

「そういえば、修平君は手先が器用でしたよね。」

修平君と言えば、このルックスで器用という

見事な条件である。

「ん?」

「マミーが風邪をひいた時もりんごを綺麗に

剥いていたでしょ?」

サユはりんごの皮を剥けない。

髪を弄ったりするのはマミーに

似て上手だけど、料理とか裁縫とか

そういうのはダディに似てしまったのか

全く出来ないんだよね。