ぺこりと頭を下げて、残念だけど断った。

「またの機会に来ますっ!!今日は用事あるんで。」

修平の邪魔はしたくないしな。

精々、頑張れよなって意味で修平を見ると、

何だよと睨まれた。

「いや、こっちの話だよ。」

あの人と一緒に本屋さん行くんだろ?

「えっ、折角来てくれたのにもう帰っちゃうのか?」

「日和、あんたは引っ込んでなさいよ。」

「なっ!!サユちゃん酷すぎるわ。」

少し、印象が変わったような気がする。

「それじゃあ、また来て下さいね。

次は盛大なおもてなしでお出迎えしますからに。」

「いや、・・・そんな大げさな。」

秋、空気が澄み渡る夕日が広がる。

修平の素顔を垣間見たような気がした今日この頃。

いいもんを見させてもらった。

「修平、じゃあな!」

「ああ。」

クールなように見えてヤツも中学生だ。

好きな子1人ぐらい居ても可笑しくはないか。

俺も、あんな美人な姉ちゃん欲しいな。

ウチの姉ちゃん煩いからな。

人にコキ使わせるし、修平のところの姉ちゃんは

優しそうだよな。

明日、学校ではこの話で注目を浴びることに

なるとは知らずに、南地区の自宅へ急いで

帰る少年だった。





―――――――・・・・・・


ところ変わった永瀬家では、授業参加のプリントを

食卓テーブルに置く次男坊の修平君。

「えっ、修平君の授業参加!?」

「来ないでね。」

日曜日というのに多少の不安を感じる修平君。

「あはっ、まさか行かないよ。」

※どうにか変装して行こうと企んでます。

「どうだか。」

クールな瞳で疑い深く日和を見る修平君。

益々、修平君のクールっぽさは日に日に増すばかりだ。