最近、見かけるたびイケメンへの道を真っしぐら

街道中の永瀬家の次男坊の修平君。


――さて、今回のお話はそんなクール且つ、この物語

切っての冷静さんと妄想大好き少女の関係性を

まるっと解説してしまいましょうかね。


少年は、走っていた。

歩道を勢いよく真っ直ぐにひたすら走り続けていた。

学校の帰り道を履きなれたシューズで目的の場所

へ懸命な走りを見せていた。

「えっと、永瀬の家ってこの辺だよな?」

額には汗を浮かべて、中学1年生の彼はまだ

幼げな容姿で今の中学生らしい男の子だ。

信号を渡ると西地区独特の平和な雰囲気が

街一帯を包み込んでいた。

「どうしようっ、迷ってる!?」

彼は、残念ながら方向音痴の類を持っている

ため目的地前に挫折をしていた。

ウロウロ何度も同じところを行ったり、

来たりしてテンパリという症状を患っていた。

何せ、彼はこの地区の住民ではないからだ。

彼は、西地区の学校に通いながらも、

住んでいるのはまだ比較的落ち着いている

南地区の住民なため学校周辺地帯でさえ

よく分かっていないものの、友人である

永瀬家次男坊に届け物があってここまで

やってきたのである。

その時、自転車を暴走させる女子高生が

スーッと通っていった。

な、何だろう。今の人綺麗な人だったな。

そういや、修平の家って確か美人な姉ちゃん

が居るって噂だったような。

修平は無口だからあまり自分のこと話さないし、

家族構成も何も知らなかったような気がする。

春に入学して入った中学で一際美形だった

修平は女子にすごいモテる割に本人はあまり

興味なさそうでよく読書してたりと中学生

にしては大人びたヤツだという印象がある。

意外と普通な会話出来るんだけどなー。

何で、女子ってああ顔で判断すんだろうな。