納得いかない様子で問題を解く姿を温かい目で

見守っているのは妄想する子です。

ジーッと見つめられて姐さん集中出来ません。

「ちょっと、こっちばっかり見てないでよ。」

「・・サユのピンチはあたしが救うのだ。」

「ピンチだって言ってないでしょ!」

「でも、いつピンチになるか分からないだろうよ。

すぐ様、駆けつけないとヒーローがとんでもない

格好悪いヤツになってしまう。」

話が長くなりそうになって、姐さんシカトする。

「さ、サユちゃんにシカトされた!!

ナル君、あたしショックで谷ぞこから落ちた

人の気持ちを理解しています。」

「ヒヨリン、谷ぞこに落ちたことあんのか!?」

「おいおいっ、てめぇ、ナルにいらねぇこと

吹き込んでんじゃねぇぞ。」

「慶詩には関係ない話だ!」

あ、これは集中が出来なくなる状況に

陥ってきてます。

姐さん、イライラを隠せずにペンを折りそうです。

可愛いクマさんのシャーペンを握る姐さんに注目です。

「煩いのよ!集中出来ない外で遊んできなさい。」

バンと机を叩いて一言言うともう一度席に座り直して、

ノートに視線を戻します。

「ごめんな、サユリちゃん。日和ちゃんと慶詩は

静かにさせるから勉強頑張れ。」

ここは、大人の対応を見せる馨氏に救われた

姐さんはため息を吐きながら問題に取り掛かった。

馨のお叱りによって静かになった教室でコツコツと

問題を解く姐さん。

その姿を見てまた今日も姐さんファンが増える。

スラッと綺麗な美脚を組んで、細くて長い指に

絡ませたシャーペンは可愛らしいクマさん。

※日和とお揃いのシャーペンです。

栗毛の髪が控えめに揺れて動くたびにいい匂いが

するので、すれ違う男という男は虜にされるという

噂もあるそうだが、事実上の確認は出来ていない。

「日和、ベートベンの髪ってパスタみたいな

人のことよね?」

数学の問題を解き終えた姐さん、謎の発言をした。