Hurly-Burly3 【完】


ジョセフィーヌをあれだけ敵視していた兄ちゃんだが

今日はもう一緒にテレビを見ながらジョセフィーヌの

毛並を絶賛するほどになっていて何とも言えなかった。

「ジョセフお前イケメンだなっ。」

兄ちゃん、ジョセフィーヌを取らないでよ!!

あたしのキュートなダーリンを横取りするとは

なんてヤツだよ!!

「兄ちゃん、支度してよ。」

ジョセフィーヌと兄ちゃんの邪魔をしてやる!!

絶対にあたしより仲良くさせないからな。

あたしの許可なしにジョセフィーヌと愛を深めようと

してもそうはいかんぞ。

このあたしが黙っていると思ったら大間違いだ。

「ひーちゃん、今日はまだ始まったばかりだよ?」

食べ終わったお皿を食洗機に入れる。

兄ちゃんほど能天気な人居るだろう?

「真君に電話ぐらいしなよ。

いきなり行っていなかったらどうするのよ。」

そういうことすら考えてないでしょ?

「それもそうだね、ひーちゃん。」

ポンと手を打つ兄ちゃんを横目に

これでこの人はやって行けるのか心配だ。

職場の人に迷惑掛けるに違いない。

そして、ケータイ持ってたのね。

しかも、iphoneですよね!!

今、CMで白戸家の人出てるけどさ。

そんな高価なケータイ持ってるって

どういうこと!?

ジャングル帰りの人が何故そんな

ハイテクなケータイ持っているのか

謎が深まるよ。

そもそも、兄ちゃんが帰ってきた

こと自体が謎過ぎる。

本当に突然帰って来て一緒に暮らすとか

言い出したものだから頭がついていかない

のも無理はないと思うのだ。

7年間の架空の時間で兄ちゃんはどう過ごして

来たのだろうか?

たまに、手紙は送られてきたもののその謎に

包まれた旅路は知らない。