ちぃ君、ズルいことしないで欲しい。
お主の顔はイカンよ!!
そんなに綺麗な顔でジッと見られたら、
ドキドキしてしまうではないか。
あたしじゃなかったら確実にノックアウトだったよ!!
無自覚なんだからタチが悪いったらありゃしない。
控えめな柑橘系な香りが空中に漂う。
おまけにいい匂いまでしてどこまでもイケメンだ。
「お前、小さすぎだろー」
なっ、失敬な!
人が気にしてることを一々言うんじゃないよ!
「可憐だろう!」
「カレー?」
むっきぃぃぃぃ!!
会話にならんのだよ。
「お前、カレーになりたいのか?」
「違うよね!普通に考えてカレーになりたい女の子
居るのですかね。」
「・・・・・・・・・・・・・」
「えっ、あたし見ないでよ。」
別にカレーになりたいわけないよ。
可憐だってば!
本当にこの人あの学校であたしの次に頭いいの?
嘘じゃないの?何か、仕組んだことだったりしないだろうな!!
先生に抗議文を送りつけてやるぞ。
「お、お、降ろしてはくれんのか?」
「やだ」
まだ、駄々をこねるか。
全く困ったちゃんだわ。
ひゅるりと風が頬を撫でる。
「何故だ?」
この状況はさすがに困る。
「また転んだりするかもしれねぇーだろ?」
「そんな危なっかしい子じゃないはずだ!」
ふわふわっと風でちぃ君のオレンジブラウンの髪が
靡くたび、柑橘系の匂いが濃くなる。
「駄目だ。」
漆黒の瞳が真剣にあたしを見つめるせいか言葉を
失って唖然とちぃ君を見つめることしか出来ない。

