何がしたいのか全然分からない。

どうしよう!ああいう人を理解する本とか出して

くれないかな?

そういえば、ちぃ君ってB型なんだっけ。

書店でB型の説明書とか売ってたような気がする。

よしっ、研究して理解を深めよう。

立ち止まって自分の世界に入りきってると、

ちぃ君に冷めた瞳で見られた。

「どこに行くのですか?」

それすら、告げない君が悪いよね。

あたしちっとも悪くないさね。

「・・・行きゃ分かる。」

「行く場所まだ決めてなかったのね。」

ちぃ君、考えるよりも行動派らしい。

あたしも同じだから怒る気はない。

まだ夕飯まで時間はたっぷりある。

『サイエンス大百科』は今夜読破すればいいや。

「しょうがないですから、お供してあげてもいいですよ。」

「・・・それ俺のセリフ」

実はちぃ君負けず嫌いだった!?

裏門から出るちぃ君の後を着いて行く。

「ちぃ君、最近丸蔵さんにお会いしましたか?」

「誰だそれ?」

えっΣ(゚д゚lll)

何それってあなたが付けたお名前ですよ。

「白くて綺麗な猫ちゃんです。仲良くしていた

ではないですか!」

「ああ、居たな。」

「可哀想に丸蔵ちゃん、ショックで寝込んでいるやも

しれませんね。今度、お見舞いに行ってあげねば。」

「寝込んでるのか?」

いやいや、もうちぃ君と喋ってると何だか会話に

成り立たないわ。

オレンジブラウンの髪が夕日色に染まって、

綺麗なオレンジ色の髪をしたちぃ君の後ろ姿を

後ろから見守るように見つめる。

ちぃ君ってオレンジが好きなんだっけ?

でも、好きじゃなきゃあの髪色にしないだろうし、

好きなんだろうな。