サユはマコ君と帰るとのことで先に教室に戻って、
教室の片付けを手伝おうかと思ったけど、もう
すでに片付いていて誰も居ない。
折角、来たのに意味がなかったわ。
このまま、帰ろうかな?
そういえば、兄ちゃん帰ったかな?
今日の夕飯はサユにおいでって言われてるんだった。
兄ちゃん、真君と仲良すぎだろうよ。
真君をあまり困らせないで欲しいものだよ!
修平君が居るからすごく安心できる。
やっぱり、修平君は誰よりも大人っぽい器の持ち主だ。
自分の机に座ってひと呼吸置く。
今日は何だかんだいろんなことがあったな。
後夜祭あるけど、あたしもサユも興味がないから
さっさと帰りましょうという話になった。
さっきクルミちゃんに喚かれたから別の機会にまた
打ち上げ的なものをすればと提案したら納得して
帰してもらえた。
クルミちゃんも彩乃ちゃんも後夜祭に出るらしい。
彩乃ちゃんも文化祭委員だから半ば強制的に出なきゃ
いけないとため息を吐いてた。
どうも、文化祭委員には好きでなったわけじゃないそうだ。
窓は微かに開いてるせいか秋の澄んだ風が心地よく
吹き込んできてひんやりとした。
最近は行事が立て続けにあったから忙しく感じる
こともあったけど、しばらくは日常的な生活に
戻れそうだ。
11月に入ったからまた寒くなりそうだな。
机に肘を立ててボーッと教室を眺める。
さすがのあたしも疲れて気を抜いたら
そのまま寝てしまいそうでほっぺたを
これでもかってぐらい引っ張って目を覚ました。
早く帰って、『サイエンス大百科』を読破しましょう!
そしたら、丁度夕飯の時間に間に合うんじゃないかな。
まだ、時間はあるしもう一冊読めちゃいそうだ。
こうしちゃ、居られん!
鞄を持って廊下に立つと遠くから声がするけど
近くに誰か居るわけじゃなさそうだった。
それこそ、みんな後夜祭の準備やらで校舎に
生徒はそれほど居なくてしんみりした。
後夜祭、密集するって言ってたからやめて
おいたんだよね。

