Hurly-Burly3 【完】


本当は今でも諦めたくないことがある。

でも、それを望めば望むほどあたしは

誰かを犠牲にしそうで怖いのだ。

あたしの我慢で今が保たれるならそれで

いいって思ったのは間違いなの?

『まだひーちゃんには考える時間が

いっぱいあるはずだよ。将来のことで

悩む時期でもあるから相談にはいつでも

乗るからね。』

お兄ちゃんはもしかしたら知ってるのかもしれない。

あたしが交わした7か月後の約束を。

でも、そのことを知っていたらお兄ちゃんは

真っ先に反対して来るだろう。

どっちかよく分からない。

知ってるのか知らないのか。

「うん、お兄ちゃん」

それでも答えはきっと同じだ。

あたしにはもう迷いなんて要らない。

6年前の約束をあたしは守る。

そして、あたしが家族を守るんだ。

「それじゃあ、お仕事頑張ってね。

あんまり無理すると体に悪いから

ちゃんと休息も取るんだよ?」

『ひーちゃんの言いつけはちゃんと守るよ。』

もう本当に無茶しないでね。

この前、大和さんに聞いたけど3日も

寝ずに働きづめだったんだって?

ダウンして病院運ばれたと聞いた時は

心配であたしが眠れなくなった。

『そっちはもう遅い時間だね。

ひーちゃんおやすみ。』

「うん、もう寝ようと思う。」

ふわぁと欠伸をしつつもお兄ちゃんとの

電話が終了する。

机の上にあるオルゴールを机の引き出しで

一番奥にしまった。

それからはベットにダイブしてジョセフィーヌ

の横でいつもどおり眠りについた。

ただ、その日の夢はなく深い眠りについていたんだろう。

よく眠っていたような気がする。