Hurly-Burly3 【完】


日頃の運動不足を感じさせない伊織君の

大健闘はまだまだ続く。

「伊織君、もしや日頃筋トレでもしてるのか?」

ジロっと開いた胸元をチラ見する。

だ、駄目だ、フェロモンという名のポイズンが・・・

毒素を撒き散らしてる!!

恐るべきフェロモン魔導師IORI

「おめー、さっきから口に出てんぞ。」

「ま、マジか!」

それはやっちまったじゃねぇか。

お口チャックしないと駄目じゃない。

「後、どこ行ったか覚えてるか?」

「えっと、う~ん覚えてない。」

「うわ~、この子本当に脳みそヤバイんじゃねぇ~の。」

「し、失礼だぞ!でも忘れたので何とも言えん。」

人に見つかるたび、伊織君のオーラに女の子

たちがキャーキャーと騒ぎ出す。

伊織君に連絡先聞かなくていいのかと聞いたら、

今はそれどころじゃねぇ~じゃねぇ~のと言って、

そのまま笑顔を振りまいてスタコラ移動した。

地面に転がってる白い靴をようやく1つ見つけた。

伊織君が汚れをパッパっと手で払いのける。

そんな、伊織君のお手が汚れまっせ旦那と言ったら、

「何だよ~、俺と結婚してぇってか?」

「何を言うか!!」

色気たっぷりの流し目に心臓が縮んだ。

そんなこと口が裂けても言わないわ!

「そこ座れるだろ?」

伊織君にベンチに下ろされてホッと一息した。

パンプスをあたしの足に履かせる伊織君は

何をやっても女子にモテるだけある男だ。

何でもかんでもやってもらってばっかりだ。

伊織君を誤解しすぎていたかもしれない。

「伊織君、こんなことに付き合わせてすまない。」

「何だよ、いきなり困るじゃねぇ~か。」

伊織君のモカブラウンが風に揺れる。

「だから、ありがとう。」

ちょっと、照れくさいけどお礼だけは言わせてね。

伊織君が居てくれて心強かった。

おかげで、文化祭にもう一つ思い出出来たって感じだ。