Hurly-Burly3 【完】


1人の女の子に記念撮影をバシャバシャ撮られて、

サユとの記念撮影は無事に終えたもののここからが

あたしの頑張りどころである。

こんな格好で逃げるには多少のリスクがあるが、

今は学祭だから何かのコスプレだろうと思われれば

別に変な格好でもない。

ただ、このヒールの高さは予想外だった。

もっと低いもんでいいよ。

本当の結婚式は低いものを選ぶわ。

リーダー格の子とサユが話している隙にあたしは

ドレスの裾をたくし上げて両手にいっぱい持って、

慣れない高いヒールのパンプスをカツカツと鳴らせる。

空き教室をドバーンと開け放ち全速力で逃亡を図った。

後ろから女の子たちが唖然と立ち尽くすもリーダー格

の女の子から指示を受けたのか追ってくる。

でも、ロスタイムがあるおかげで距離は随分とあった。

このまま逃げて逃げて逃げ延びる。

ミス星鈴とかいうのが終わった頃に制服取り返せば、

あたしは不出馬になれる!

よしっ、これしかない。

それにしてもドレスってこんなに身動き取りにくい

ものだったなんて知らなかった。

七五三以来だよね、こんな綺麗に着飾るのはさ。

冷たい風が肌をひんやりと押さえる。

うげげっ、寒くて鼻水垂れそうだ。

ティッシュをくれ!

ズビビと鼻をスンスンしながら足は止めない。

追っ手が別れてしまってどこから来るのか

分からないからここからが体力勝負。

あたし、体力だけは負ける気がしない。

走る間は周りに指をさされたりして、

ちょっと恥ずかしさに顔を俯いた。

こんな恥ずかしい思いは今までの経験上

なかったと思うよね。

酷いったらありゃしないわ。

サユを置いてきちゃったし、後でシバかれる

のは覚悟しなきゃよね。

どこに隠れてれば見つからないかな?

足を止めてキョロキョロ見渡していたら、

目の前に現れたのはかぼちゃの馬車を引き連れて

そうな煙草をポロっと落としたフェロモン魔導師こと

伊織君だった。