む、難しいことを言ってしまったかしら?
「そうですね、じゃんけんで勝った方から
行きたいところに行けるというのはどうですか?」
「じゃあ、そうしよう」
「うん、それなら文句ないよな。」
「俺もそれならいいよ。」
「私も行ってもいい?」
どんどん集まってきてしまったわ。
「保母さんになった気分だわ。」
「日和ちゃん、さすがに多くないか?」
「田中、頑張るのです!」
「いや、俺に押し付けちゃう!?」
スタンプラリーを順調に進めて、
小学生とも仲良くなってきた。
「田中、参加賞はボールペンだ。」
そういえば、そんなこと言ってたんだよ。
彩乃ちゃんがスタンプラリーの参加賞
の話をしていたのをすっかり忘れていた。
「わーい、終わった!!」
「みんなでお揃いだね。」
「うおー、かっけー」
小学生たちはみんな楽しそうで良かった。
「お姉ちゃん、遊んでくれてありがとう。」
「おにーちゃんはおまけだね。」
小学生とは恐ろしいぐらい素直だ。
田中は若干苦笑いを浮かべる。
いや、田中もよく健闘していたと思うよ。
男の子からは絶大な人気を得ていたからね。
女の子はきっと田中のハニカミ王子さに
幼いながらもドキッとして近づけなかった
と思われることにしてあげよう。
今、少し傷ついて傷心中なんだもの。
それから、お昼ご飯を探しに模擬店
中心のところに行こうとした。
「たな」
田中、何を食べると言おうとしたその言葉は
最後まで言うことを許されなかった。
「ちょっと、借りますね。」
ぎゃあああ、口を塞がれた!
これは立派な拉致行為だぞ!
人のお昼を邪魔したとは許さんぞ!

