Hurly-Burly3 【完】


ナル君に遅れを取らないように離れないように

しているつもりだけど、迷路狭苦しい。

随分と難しい作りをしてくれちゃったらしい。

「うぎゃああああ」

ダンボールにデンジャラスな文字が・・・これは

何かの呪いのあとだわ!!

な、何か不気味な黒いベッタリとダンボールにこびり

付いた文字に腰を抜かしてひっくり返る。

「な、何だ!?」

「ゆ、ユウヤさん、こちらに黒魔術の施しが・・」

「ヒヨリンッ、やべーよ。」

ユウヤにガクガク首を振る。

な、ナル君あれに気付かなかったなんて勇敢すぎるわ。

「誰かが黒魔術で呪おうと・・・」

「おめーら、アホか!!」

なっ、慶詩!?

「どう見たって、血糊ではないか!」

「どう見たってソースだろうが!」

ハッ、まさかのソース!?

紛らわしすぎる!!

一瞬、本当にビビってしまったではないか。

やだわ。このあたしの不意を付くとはソースさんめ!

「ホラーより恐ろしいわ。ほら、手形だよ?」

手形がくっきり残ったところを指差す。

「おめーの脳内が恐ろしいわ。」

「マジ、ビビった。」

伊織君、酷い!!

「ヒヨリン、どうした?」

ナル君が逆走してきた。

「うわわ」

「おめー、ささっと進めよ。後が詰まってる

じゃねぇーかよ。」

あ、あた、あたしとしたことが!!

周りの方にとんだ迷惑をかけてるじゃないか。

どんどん進みましょう。

こんなところで行き止まり作ってる場合じゃないわ。

「うっ」

どっと疲れが出そうだ。

結構、いろんなところ回ったし、非日常的なことが

次々に起こったからビックリもした。

巨大迷路を出るとやっと広いところに出られて、

開放的な気分を味わうことが出来た。