伊織君、えーって言いながらナル君に強制帰還
させられるという事の転末だ。
世も末恐ろしい世界になったものだわ。
「ちょっとぐらいいいじゃねぇーか。」
「伊織はちょっとじゃねぇだろ!!」
ナル君のプリプリモードに伊織君が
女の子に手を振って残念そうにケータイを仕舞った。
「何が悲しくて男同士で回らなきゃなんねぇんだよー。」
「ここに女の子が1人居りますけど。」
し、失礼な男ね!!
「えー、どこに?」
こっ、この野郎許さん!!
成敗してくれる!!
「すいません、どこかに暗殺部隊は居ませんか?」
「このお嬢ちゃんの妄想はやべーな。」
「妄想じゃないけど、普通に暗殺部隊の手に
よって抹殺されればいいと心の底から思っている。」
「可愛げねぇーな。」
「何とでも言えばいい!!」
もうこっちは付き合ってあげてるんだからな。
あたしの半日は高くつくんだぞ。
それをのっけからこの態度ってイライラMAXだわ。
「ヒヨリン、気にすんな。俺はちゃんと女の子だって
思ってるからな!」
ナル君のみで良かったわ!!
「うっ、うん」
うるっときたではないかね。
ナル君の心優しさにあたし倒れぬよ!!
ナル君の優しい手があたしを引っ張る。
ナル君だって男の子だから女の子に興味
というものがあるのかもしれないわ。
でも、何故にあたしなのだろうか?
このちんちくりんを好きになる要素なんて
見つからないわ。
一体、あたしのどこが好きなのだろうか?
好きと言われてしまったから少し意識が変わる。
握られた手のひらは自然だけど少し恥ずかしい
ような気持ちになるのは何故だ?
手をつなぐのはいつも少し恥ずかしくて温かくて
心地いい気がする。

