文化祭の準備が進みつつある今日この頃。

看板のペンキ塗りはナル君と接触事故の

翌日に決行された。

何故か、ちぃ君がずっと不貞腐れて寝たフリしてた。

ナル君は相変わらず抱きついてくるから

そのたびパニックが連鎖してその日は収集

つかないから解散になったんだ。

それから、着々と看板作りが行われている。

ペンキの配色はあたしが言った通りに塗って

貰ってるわけで総司令官を任されたみたいで

少し緊張が走った。

「馨君、赤はここでいう一番重要色だからねっ!!」

「日和ちゃん、赤ずきんちゃんだから分かってるよ。」

赤色担当してるのが馨君で今は頭巾を塗ってるところだ。

「ユウヤ、ここはもっと丁寧に塗ってくれなきゃ。」

「ヒヨリン、何で俺が草担当なんだよ。」

地味だとか言ってユウヤがしょんぼりする。

「あのね、ユウヤ!!草がメインだと思うんだ!

花畑で狼さんとこんにちわするシーンの端っこ

にちょろっと出てんでしょう!!」

「それが地味なんだろうが!!」

「地味なんかじゃない!!」

とにかく、塗るんだと肩に手を置いて説得した。

「日和、空はこんな感じでいいの?」

ナル君とサユが空担当だ。

水色を塗ってるのがナル君で、雲がサユ。

お日様はオレンジ色でちぃ君が黙って作業中。

伊織君はおばあちゃんの服担当で、

慶詩は家やらを塗ってる。

京君は狼担当でさっきから無言で丁寧に

狼の顔を塗っていた。

「うん、ナル君とサユ上手だね。」

空っぽく見えるわ!

あたしは総司令官ながら赤ずきんちゃんや

おばあちゃんの肌を塗っている。

みんなでわいわいとする作業は実に

楽しいもので、手にペンキがついても

苦だとは思わなかった。

長い道のりだったと思うが、今日で

看板出来上がりそうな気がしてきた!