現実なんて甘くはないもの。
逃避行するなら妄想の世界。
「ヒヨリン、俺のこと好きになってな。」
「なっ、ワワワッ」
でも、これは妄想なんてものになりそうにない。
現実世界はなんて危険なんだ。
いくらあたしが頭良くたって到底解けない。
ナル君に抱きつかれてドキッとすることになるとは!!
鼻血出していた時の方がまだマシだった。
「おうおう、こんなところに居たかよ。」
い、伊織君!!
厄介な人物に遭遇してしまうなんてついてない。
「ナル」
馨君が呼ぶ声にナル君が勢いよく飛んで行った。
「それでどうだったんだよ?」
「ウチのナルちゃんのハート射止めるとは
油断ならねぇな。」
そんなことはしてないぞ!
「あ、あ、あの怒ってる?」
伊織君と慶詩が振り返って来る。
「はぁ?何言ってんだおめぇはよ。」
だ、だってね。
さっきは殺気丸出しだったじゃないですかね。
「どこから見てたんだ!?」
「最後らへん?」
「▲○×★□◇▽●!?」
アワワッ、油断ならねぇのはお前たちの方だ!
「ヒッィィィ―-――!!恐ろしいスパイが
ここに居たとはあたし地球に未練があるわ。
宇宙へは行けません。どうか、どうか、お許しを」
「お前の頭が恐ろしいわ。」
むひっ、伊織君に頬を抓られた。
何故、あたしの頬をみんな抓るんだ!?
そんなに弾力しているとは思えん。
「お嬢ちゃん、お餅にでもしてやろうか?」
「ひゅみまへんへひは」
伊織君魔術にかかるところだったわ!
そんなことになった日には世にも恐ろしい。
危険だ、いや餅になったら正月の鏡餅まで
待ってて貰いたい。

