兄ちゃんが帰って来てからというもの、

騒がしい我が家は何年ぶりなのだろうか?

サユ家でダディと晩酌し出していたことには

ため息が出てもう精気が吸い取られていた。

その日はどうもマコ君も家に来ていたことも

あってかサユもマコ君も困惑だった。

どうもあたしが来る前に一騒ぎしたらしい。

「いやー、マコ君良いヤツだよね。」

マコ君が標的となってしまったのだろうな。

マコ君が始終苦笑いだった。

「さーちゃんは俺にとっても妹同然だから、

大事にしてやってくれよ。」

兄ちゃん、お酒弱いんだからやめてよね。

ダディも飲ませようとしないで。

パッチテストをしたことがあるあたしたち

兄妹で母さんの酒豪の遺伝を受け継いだのは

どうもお兄ちゃんでも兄ちゃんでもなくあたしらしい。

甘酒しか飲んだことがないから強いのかどうかは

分からないところだ。

父さんはちっとも飲めない男なので、家の家族は

女が強いらしい。

「兄ちゃん、帰るよ。こんなところで寝たら

迷惑になるでしょ!!」

「透真は朝陽に似て酒弱いのか。」

ダディ、父さんと兄ちゃんは外見は違えど

中身がもうそっくりですよ。

「ひーちゃん、良かったね。」

マミーは嬉しそうに笑う。

「あはは、兄ちゃん煩いだけですよ。」

「日和、説明は今度聞かせてよね。」

さーちゃん、兄ちゃんににっこりと笑う。

「いやー、さーちゃん美人になっちゃって。」

「透真さんは相変わらず素敵なご容姿ですよね。」

これでいて母さんの遺伝をばっちりと受け継いだので

外見だけ見れば自慢できる兄ちゃんである。

デローンと肩にのしかかる兄ちゃんは情けない

ことに缶ビール一本ろくに飲めないらしい。

もしかした、炭酸で酔っぱらうようなヤツ

なのかもしれない!!