Hurly-Burly3 【完】


俺たちの知らないヒヨリンを知ってるんだろうな。

「ひーちゃんは格好から入る子でだな。

あれは大工になりきってるつもりだから。」

ヒヨリン、大工になりきってたのか!

「つうか、お前ら暇ならひーちゃんの手伝い

してやれよ。文化祭の準備全然やってないだろ。」

「暇じゃねぇ。」

慶詩がイラつきながら小石を蹴った。

「けどよ、行事参加強制だからな。」

「あの副校長って野郎がうるせぇんだろが。」

「文句は言わせねぇよ。」

相沢がニマっと笑う。

「それに、ひーちゃん気にしてるみたいだからね~」

手に持った名簿を持ち変える相沢。

「口に言わないし、顔に出さないで何考えてるか

分からないのはひーちゃんの兄貴にも似てんだよな。」

もう1人居るっていう人か?

「隠れてるつもりだったんだろうけどさ、

俺と副校長の話聞いちゃったんだろうなーってことは

知ってんだよな。いや、ひーちゃんにバレちまってんぞ。

お前らが体育祭に出れなかった1つの理由っての。」

へらりと笑って見せると相沢は背を向けた。

「他に理由があるにしろ文化祭ぐらい出ろよ。

学生の本文忘れんじゃねぇぞ。」

キュッキュッて鳴る靴の音が響いた。

ヒヨリンは神出鬼没なのかもしれない。

副校長と相沢の話ってのがよく分からねぇや。

「あのね、サユ。甘栗っていうのはね。」

「あんたの豆知識はいいわよ。」

「えっ、サユ。良くないよ!」

サユリンとヒヨリンは仲良しだ。

袋を両手にいっぱい持つヒヨリンの隣で

サユリンが心配そうにヒヨリンを見てる。

サユリンとヒヨリンには強い絆があるんだろうな。

ヒヨリンがサユリンと一緒に居るときに

笑った顔を見ると俺も嬉しくなる。

ヒヨリンの笑った顔を見ると心が温かくなる。

この感情は一体何なんだろう?