でも、準備することなんて殆どないに等しい。

チラシと看板作りが主な仕事で後は本番の

シフトを決めるとか教室の飾りを作るとか

大した仕事はなくゆっくりのんびりと準備

することが出来る。

「クルミちゃんと彩乃ちゃんはチラシの方

をお願いしますね。」

「ひよっちとさゆっちで看板?」

「それしか人数居ないからしょうがないでしょ。」

只今、昼休みを満喫中だ。

そんなに焦ってする仕事なんてないからあたしたちの

クラスは比較的緩い感じだ。

何せ、9月中にはMOVE撮りをしてしまったため

本当にやることがない。

「大丈夫?」

彩乃ちゃんが心配そうにあたしを見る。

「こう見えて、自由工作は得意だったのでお任せ下さい。」

よく父さんと鳥の家を作ったりベンチを作ったりした

から大工仕事は手馴れている。

それにしても他のクラスは大変そうだ。

お昼休みだというのにゆっくり食事もとれないとは

可哀想過ぎる。

あたしなんて昼食タイムがなかっただけで発狂すると思う。

「日和が絵描くんでしょ?」

サユがお茶を飲みながら聞いてきた。

「デザインはもう頭の中に入ってるから安心したまえ。」

「ひよっち、絵上手いもんね。」

褒めても何も出さないぞ。

※褒められて照れている。

「日和ちゃん、チラシの方はこっちで何とか

するからね。」

彩乃ちゃん、なんて良い人なんだ!!

「お願いします。」

「いやいや、こちらこそあたしが文化祭委員なのに

日和ちゃんに任せてばっかりだから。」

彩乃ちゃんはそんなことを気にしていたのか!?

「あたしが好きでやってるのだから気にすることはない!

彩乃ちゃんは大船に乗った気持ちで!!」

看板作りなんて楽しいことを任せてくれたんだもの。

とっても、素敵な看板作って見せます。