Hurly-Burly3 【完】




***



said:京




「京ちゃん、行くか。」

だから、何度も言わせるな。

「慶詩」

面白半分ってところだろ。

待たせたのは悪いと思ってる。

「わーってる」

ピアスの光が眩しい。

「・・・それまだ付けてるのか?」

慶詩が振り返って首を傾げた。

「京ちゃん、今日意外と喋るよな。

相当面倒なこと起こったのかよ。」

「大したことはない」

店を出るとまだ昼間だって癖に雲が

太陽を隠して影を落とす。

「ああ、この天候だからか。」

曇り空の下慶詩の後を歩く。

「昨日の後始末は片付いたにしろ、

最近こういう役回り多すぎだろ~」

この後は慶詩と東地区に行くことになってる。

その前は、ユウヤとナルに連れ回されていた。

朝から2人に引っ張られて出かけることに

なるとは思っても見なかった。

「京、あんまり無茶すんなよ。」

慶詩の言葉にハッとして後ろを振り返ると、

バットを持った男が5人一気に襲いかかってきた。

「・・・ッチ」

少し油断していたな。

曇った空は苦手なんだ。

調子が狂うのはいつもこんな日だ。

いつの間にか慶詩が前に立って、

鉄パイプでガードする。

「・・・悪い」

「おうっ、大丈夫か?」

慶詩に心配されるとはな。

そろそろこんな自分にケリをつけたい。