それはそれは良い音がなった。
周りに居る人たちに笑われたのは言うまでもない。
サユと藍ちゃんには白い目で見られ、あたしたち
関係ありませんと言わんばかりにスタコラサッサ
と先を歩いて行ってしまった。
クルミちゃんと2人で大笑いしたが彩乃ちゃんに
ぴしゃりと怒られた。
前向いて歩きなさいとお説教を受ける羽目になった。
彩乃ちゃんは怒らせちゃマズイ。
「日和、後30分時間があるけど?」
映画のチケットを買ったサユと藍ちゃんのところへ
行くとチケットを渡された。
「そうね、何か飲み物や食べ物でも買いに行きましょう。
後、折角新しい映画館へ来たと言うことで探検します!」
「言うと思ったわ。」
サユが少し疲れたような顔を見せる。
「じゃあ、ウチらポップコーン係行きます!
あやっち行くよー!!」
「クルミに持たせると転んで台無しになるから
行って来るね。」
クルミちゃん・・・・彩乃ちゃんはよく分かってる。
「じゃあ、あたしたちは飲み物を買いに行きますか。」
新しい映画館は綺麗で大きくてお客さんもたくさん居る
せいか、混雑していて人酔いしそうになった。
ジュースを買って早々に足がふらついた。
「日和、大丈夫?」
「えっ、うん。しかし、今日は人が多いね。」
「・・・無理しないで。」
サユっ!!
あ、藍ちゃんっ!!
「ちょっと、抱きつかないで。」
藍ちゃん、照れてます。
「昨日の今日だし少し人が緩いところ行く?」
「うん、そうしてもらえると有り難いわ。」
サユが先頭を歩くと道が出来る。
この美貌は老若男女に好かれるわけで、
女の子からは羨ましがられて、男子の目は
ハートになるという。
「あっちにあるソファー座ろう。」
サユはこういう時頼りになる。

