それにこの色に慣れてしまったからな。
元に戻ってもしっくりこないと思う。
「副校長?あたしはあんたの髪好きだよ。」
さ、サユっ!!
「その言葉だけで十分だ。」
勿体ないお言葉だよ。
ちんちくりんの分際のあたしのチャームポイント
を褒めてくれるとは!!
「日和なんかあったの?」
サユは勘が鋭いらしい。
女子力高めの女の子だわ。
副校長だなんて言わなければ良かった。
つい口走っちゃったとは言え、油断してた。
「言いたくないの?」
あたしの考えを言うも同然のことだから、
副校長のあの言葉をきちんとそのままサユ
に告げられるとは限らない。
少し多めに盛ってしまうかもしれない。
「サユ、あたしは力になりたい。」
このことを機にそれを強く思い知った。
みんなのためにあたしは何かしてあげられる
んだろうか?たくさん傷ついたはずなんだ。
責任感というよりはただのお節介のおばちゃん
にでもなったつもりでいい。
不良メンバーズみんなが強くなれますようにって
願いを込めて何か力になることが出来たらいいなって
思う気持ちが芽生えた。
「それはあいつ等の?」
サユは長い睫毛を瞬かせる。
「うん、もちろんサユやマコ君のためが優先するけどね、
近くで見守ってあげたいんだ。ほら、正義のヒーローって
ジャストタイミングで駆け付けるでしょ?」
そんなものになれるとは限らないけど、
出来ることなら宣言通りにやってやりたいの。
「日和はすでに正義のヒーローだよ。」
サユはにっこりと笑いながらそれなら手伝わせてよと言う。
「助手希望ですか?」
「あんたが助手でしょ?」
えっ!?
それじゃ、主旨が変わってきますよ!!

