『そうだな、あの辺焼き芋売りに来るだろ。』
「ユウヤ、そんなに芋好きだったの?」
『ち、違っ!!』
ユウヤは慌てて否定し始めた。
「ひーちゃん、まだって師匠が」
師匠、丁度出来ましたよ。
「ユウヤ、そろそろ師匠のところへ
煎茶を持って行くお時間だ。また来週
ということでGood night!!」
『お、おう。ぐっないって・・・ブッ』
最後にユウヤの吹き出す声が聞こえたが、
敢えて何もツッコミを入れないでケータイ
を切ってテーブルの上に放置した。
「師匠、お待たせしました煎茶です。」
「うむ。」
そのやり取りを確実にサユと修平君が
目撃したと思われる。師匠の動きが止まった。
「今、喋っ」
「修ちゃん、俺ね、俺ね」
修平君に兄ちゃんが必死に話しかける姿を
見るとそんなにバレちゃいけないことなのか
と思ったもののそれ以降師匠が喋ることはなかった。
「修ちゃ~ん、一緒に寝ようよ~」
「・・・・・やだ」
修平君が兄ちゃんに抵抗する。
「兄ちゃんは1人で寝てろ!!」
修平君を連れて行こうとするとは油断していたわ。
「え~、ひーちゃんも一緒に寝たいの?」
どっからそうなるんだ!!
「結構だ、サユ、修平君!!兄ちゃんは放置で
お布団引いて寝ましょう。」
大抵、サユだけが泊まりに来ると一緒にベットで
寝るのだが、修平君も一緒だと川の字スタイルで
寝ることになっている。
「ひーちゃん、最近兄ちゃんに冷たいよ!!」
あたしに問題があるのではなくてだ。
兄ちゃんに問題があるのよ。
「師匠と仲良く寝てればいいでしょ。」
「寝ている間に侵入しちゃうぞ。」
恐ろしいこと言うな!!
常識考えようよ。
何か、もう兄ちゃんが怖い・・・・

