まさか、兄ちゃんの帰還がこんなに早く
知られていたとは!?
後で、サユに愚痴ろうと思ってたのに!!
そんなことを考えていたせいで誰が来たかを
確認していなかった。
『ハニー、確認忘れてるよ!!」
あっ、しまった。
ガチャリと玄関の扉を開けるとそこには
思いもよらぬ来客に腰を抜かすところだった。
「感心できませんね。
いつもは必ず確認をなさる貴女がどうしたんです?」
知っているのではないですか?
「大和さん、兄ちゃんが・・・!!」
「ええ、それは私も把握しています。」
ジョセフィーヌはあたしの後ろに隠れる。
さっきのあたしを守ると言ったのは嘘
なのかい、ダーリン!!
「来客ですか?」
玄関に靴がたくさん置かれているのを見て
大和さんは首を傾げた。
「はい、大和さん今日帰国したんですか?」
「ええ、透真様がこちらに向かうとのこと
でしたからね、それにこの間の電話でそう
告げませんでしたか?」
う~ん、最近やたらといろんなことがあって
すっかり忘れていたと言うことだろう。
折角、大和さんが帰って来てくれたというのに
あたしとしたことが!!
「そんな顔をなさらないで下さい。
1日早く帰って来ただけですよ。
日和様の様子が気になってしまって、
明日の飛行機を今日にしただけのことです。」
や、大和さんっー!!
今、すごい抱きつきたくなったよ。
でも、ジョセフィーヌがあたしを引っ張るんです。
「あのね、大和さん。
あたしね、たくさん話したいことがあってね。
兄ちゃんが帰って来たこともイマイチよく分からなく
てそれで・・・・」
大和さんはポンと頭に手を乗せてくれた。