Hurly-Burly3 【完】


そういえば、確かに言っていた。

ユウヤだったっけ!?

あたしの勇姿を見に来る的なことを確かに

言っていたような気がしたけど、彼らは

また何であんなに堂々と見下ろしているんだ?

学校来てるなら体育祭出れば良かったのに、

ユウヤなんて絶対にはしゃいでただろうことは

目に見えてるのに何で高みの見物なんてしちゃってる

わけ!?それとも、これはあたしへの一種の挑戦状

というものなのか?

ナル君がキュートな笑顔を振りまいて手を振ってくれる。

慶詩と伊織君コンビなんてやる気を見せてない。

馨君はにこやかに笑っていて心落ち着いた。

京様は流し目攻撃を仕掛けてきた。

※日和にそう見えるだけです。

ちぃー君は不敵な笑みを魅せる。

たまに恐ろしく妖艶な男である。

ユウヤは何か横断幕のようなものを掲げている。

えっと、何が書いてあるんだと思いながら見ると、

【世界俊足の足】と読めた。

恥ずかしさに吐血しそうだった。

みんな集まって来ているから誰も屋上の方を見ている

ものが居なかったのは唯一の救いである。

「あいつ等、暇人だよなー」

それでも担任ですかと疑いそうになる。

ズル休みしているの分かっただろうになんて呑気な

担任が居るんだ・・・・

「ひーちゃん、こういう時可愛いんだよな。」

屋上から目を逸らしたあたしの耳元にこっそり

呟いた相沢ティーチャーを睨みスタート位置についた。

一瞬表情崩れそうだったじゃんという相沢ティーチャー

に殺気を放ち、スタート位置でブツブツと呟く。

そして、あたしの中では完全にスイッチが入った。

映画ロッキーのテーマソングが流れている。

バトンを持ってスタートの合図を待っていると、

勢いよく発砲した。

相沢ティーチャーの意地悪い笑みを見て悟った。

お前が負けるわけねぇよなというプレッシャーを

その眼力で確と受け取った。

クラスのみんなが立ち上がって応援する。

サユは椅子の上に立ってあたしから没収した

赤いフェイスタオルを振り回す。