それから次々と種目をこなした。
女子では最多出場だったあたしも残すところ、
クラス対抗リレーだけとなった。
これを制したチームが今年の優勝になる。
今までの種目ではそれほど大差がついていない
ということでこのリレーはかなりの見ものと
なることがひしひしと伝わってくる。
1年生ということであたしがトップバッターだ。
それから、佐藤君に繋げてもう一人の運動部に
所属している男子に繋げて2年生の男女が走り、
3年生の女子が走った後に団長をしていたものが
アンカーとなるわけであたしのプレッシャーは
多少あるものだ。
佐藤君なら多少出遅れても挽回してくれるほど
の足を持っているが頼ることなんてしないわ。
やるからには全力を尽くさなきゃ意味がない!
負けず嫌いの性格は母さん譲りだ。
勝負事には燃えるタイプで絶対に勝たなきゃ
気が済まない。
「立花、気楽に行こうぜ!」
「俺ら居るし、そんな力むことねぇからな。」
2人はどうもあたしを元気づけようとしている。
「平気ですよ、それより1位で帰ってきますから
準備運動しっかりしておいて下さいね。」
転んだりしたら承知しませんよというと、
2人ともゴクリと息を呑んだ。
「頼もしいな、立花ー」
こんな時に登場するとは・・・
「相沢ティーチャー・・・何をしに来た?」
さっさと立ち去れと言おうとしたらどうも
ヤツがスタート係の先生になったらしい。
「俺は立花のような優秀な生徒が居て
鼻が高いなー。」
こ、この男!!
久しぶりの登場シーンだからって人を
小馬鹿した言い方をしやがって許さんのです!
「それより、ひーちゃん向こうの方の屋上見てごらん。」
小声でひっそりと耳打ちする相沢ティーチャーに、
怪訝そうな顔で屋上を見上げた。

