Hurly-Burly3 【完】


ふふと笑うとサユが何笑ってるのよと拗ねる。

「あんたが笑ってると不気味よ。」

ガーン・・・

やはりあたしの笑みには他ならぬ違和感があるのか!?

昨日も頑張って鏡を前にあいうえおと言ってみたり

日頃の練習を重ねているというのに!!

「落ち込みすぎよ、日和が笑うと嬉しくてつい・・」

ぎゃあああ!!

何て可愛いツンデレサユちゃんなんですか!?

イカンよこれは本当にイカン!

「さーちゃんラブブッ」

ガバっと手を広げていたら本当にサユが腕の中に!?

「痛っ」

サユを抱きとめたあたしは何事と思って辺りの状況を

確認作業する。

『ピッピー』

『ここで車の衝突事故がありました!』

『今すぐ、救急車の手配をよろしくお願いします。』

まずは現場の保存が必要ね。

※ここで久々に日和の妄想に入ります。

どうぞ優しい目で見守って下さい。

事故車両のもう一方はどなたかしら?

一方はサユで間違いないわ。

病院に搬送しなくては!!

救急車を呼んで家族に連絡も取らなきゃだわ。

きっとダディが泣きながら飛んで来るに違いない。

『消化活動にご協力下さい』

『あら、やだ。この辺で事故なんて物騒ね。』

奥さん、この事故はどうみたって相手方が

100%の過失だわ。

「そうです、あなたあたしのサユちゃんになんて

ことをしたんですか!!」

※これでもすごく怒ってます。顔はポーカーフェイス

でも心はやかんの沸騰並みの怒りを隠しているのです。

あたしがサユを受け止めてなかったら確実にサユは

突き飛ばされて地面とごつんこさんだったはず!!

サユに怪我をさせるなんて首をへし折ってやるわよ!!

という勢いで相手を睨みつけている。

「すいません、急いでるもんで。」

な、なんて態度なの!?

それでも過失100%の言うことかしら?

誠意が見られないわ!!

目を合わせようともしないで俯いたままの男が

そのままぺこりとお辞儀をすると走って消えた。

見っともないわ!!

自分に責任が取れないとは世の中の若いものは

これだから大人にナメられるのよ。