世の中、知らなくていいこともあるんだそうだ。
トイレから出て行く女の子たちが行ったであろう
頃に個室を出て手を洗った。
「日和、女ってこれだから面倒よね。」
潔く手を洗ってるサユを見ると爽やかだ。
「そうだね、このハンドソープ変わったよ!!」
フルーツミックスの香りだって!!
お手々がフルーツミックスの香りになっちゃうだ
なんて美味しそうな名前だわ。
「あんたって年中平和ボケな思考してるから
フォロー要らないよね。」
手をサユに見せびらかす。
「何ですかね?サユこれ本当に良い匂いするよ。」
ハンカチで水分を拭うと手がさっぱりした。
普通ならここで落ち込んだりするのかもしれない。
あたしはそんな同情をする気にはならない。
「あんたって素敵なぐらいサバサバしてるよね。
ちっともネチっこくないっていうか、さっきの女たち
がみんなあんたみたいなのだったら世の中平和になれる
気がすんのよね。」
世界平和協定ですか!?
あたしみたいなのがたくさん居たら世界中妄想帝国
になりかねないよね。
四六時中妄想にふけ込んで世界の危機が訪れないかしら?
「そういう、サユちゃんだってサバサバしてるじゃないか。」
似た者同士というかそれでこそ仲がいいのだろうな。
「あんたほど清々しくはないわよ。」
あたし清々しいのか!?
空気になったつもりで居て欲しいというのが
サユの願いなのねっ!!
「日和のポーカーフェイスは見慣れてるけど、
また素敵なほど無表情じゃない。」
「サユはあたしに空気になって欲しいのかと
考えていたからさ。」
「たまに、日和が怖くなるわ。」
いや、ドン引きしないでくれるかな?
サユにドン引きされるとショックで
ハートがボロ雑巾のようになってしまうよね。
Give meサユちゃんの愛!!
スマイル下さい!!

